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2006/4/27

1958年、イギリス作。

「SOSタイタニック 忘れえぬ夜」(★★★★☆)

監督:ロイ・ベーカー
原題「A NIGHT TO REMEMBER」

1912年、世界最高の豪華客船の悲劇の沈没を描く。

1等乗客、332名。
2等乗客、276名。
3等乗客、708名。
乗組員を含めて、合計2208人。
しかし、救命ボートは、1200人分しかなかった。
そのうち、救助されたのは、705人。

2時間の作品ということで、
タイタニック号の豪華さ、関係者の傲慢さ、
上流階級と、一般人の格差などは、
現代のタイタニックよりも、やや割愛気味です。
その代わり、安っぽいメロドラマはなく、
リアリズムを強めてます。

船長や設計士の人がそっくり。
乗客が浮かれて、氷でサッカーする場面や、
3等客が、階段を柵で閉じ込められる場面が忠実ですね。
SOSのモールス信号は、この頃の最新のメッセージだったのね。

航海士の視点から描かれているので、
乗客のパニックより、乗員の緊迫感のほうが、強く感じます。
それに比べて、
乗客は、この船は絶対に沈まないと、呑気に構えてます。

女性と子供を優先して避難させるため、
妻と息子をボートに乗せて別れる父親の心境が辛い・・・

誇張のない、そっけないセリフの中に、
真実の想いが込められてると、ひしひし感じます。

ただ、淡々と、現実的、客観的に映し出されているので、
登場人物への共感は弱いかな。
極限状態の、人間の残酷で醜い部分を、
ありのまま、冷たく描いてるのが怖いな〜

「物語は、これで終わりではない」
「彼らの犠牲は無駄にはならず、」
「船には全員分のボートが用意されるようになった」

こうして見ると、
97年、ジェームス・キャメロン版「タイタニック」が、
いかに、この作品を参考にして作られてることを知りました。