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2007/3/25

1983年 イタリア製作。

「ノスタルジア」(★★★★☆)

監督:アンドレイ・タルコフスキー


最初に見たときは、
映像はキレイだけど、内容がさっぱりわからず、
後でいろいろ調べてみて、何度か繰り返し見直しました。

本当に、ぼ〜っと映像美に酔いしれてしまうんですよね。


亡命したタルコフスキーは、
18世紀のロシアの音楽家の生き様を追体験して、
遠くイタリアにて、2度と戻れない祖国ロシアを想う。


「なぜ、女は信仰深いの?」

「子を産み、育てるのが、女の役目だからだ」

「神は、聖女に何と言ったの?」

「お前はお前にあらず、されど、我は我なり」



「詩は翻訳できない」
「全ての芸術に言えることだ」

「どうすれば、翻訳なしで分かり合えるの?」

「国の境界を無くすことだ」

「1滴プラス1滴は2滴ではなく、大きな1滴になる」


ロシアという国が無くなり、帰る場所がない苦しみが、
焼身自殺という狂気に走らせる。

か細い命のように思える、
今にも消えそうなロウソクの灯を保つことで、
微かな希望にすがる。

懐かしく居心地のいい故郷で、安らかに眠りたいという願望。


わたしも、オーストラリア、カナダを旅行したときは、
家族や日本食が恋しくなりましたね。
いわゆる、ホームシックです。

そして、英語を勉強して、海外文化に触れたからこそ、
日本語や日本文化の素晴らしさも分かるようになりました。


この映画の魅力は、
言葉で説明するのは野暮ってもので、
体感的に味わってもらいたいところです。

美しい風景を眺めて、ゆったりと流れる時間を、
のんびりと楽しむような感じ。

だって、
「詩は翻訳できない」んですもの。

ただ、芸術性は満点ですが、娯楽性は皆無なので、
人によっては、好みが大きく分かれるでしょうね。
言ってみれば、天才の自慰ですから。

だから、人に薦められて見るような映画じゃないので、
自分で調べて興味を持ったら見てください。


参考サイト様。


アンドレイ・タルコフスキー映画祭
http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/nstlg.html


映画批評: タルコフスキー体験 −『ノスタルジア』試論−
http://nekofami.ndap.jp/nostalghia.html


松岡正剛の千夜千冊『アンドレイ・タルコフスキー』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0527.html


みんなのシネマレビュー
http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=3041