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2006/5/8

1969年 日本製作。

「少年」(★★★★☆)
監督:大島渚

冒頭の少年の顔写真が、
ニュースの事故者か犯罪者みたい(><;
音楽が、ダークな雰囲気でいっぱいです。

全国を転々とする、車の当たり屋稼業の家族。
旅してるから入院できないって凄んで
金を要求して、示談にする手口。
なんとか商店って書いてある、
女が運転する車が一番のカモだって(><;

今の生活に後ろめたさを感じ、葛藤して、
ある日、少年は家出をする。

それでも、自分一人では生きていけない。
死のうとしても、死ねない。
親の愛を知らず、大人のずるさを知り、
その中で生きていくために、計算、妥協する。

怪我をしても、医者に見せたくないから
悪化して手足を切断されてもいいって(><;
ダメな親によって、人生も感性も狂わされた少年の悲劇。

アンドロメダ星雲の宇宙人の話が印象に残ります。
夢のような救いを思い描くことで
辛い現実から逃れたいという、精一杯の抵抗なんでしょう。

徹底した冷たいリアリズムで、見る者を突き放し、
感情だけではどうにもならない事実を突きつける。
見ていて気持ちのいいものではありませんが、
とても説得力のあるすごい映画です。