「大人は判ってくれない」59年(C)

「亡きアンドレ・バザンの思い出に」
フランソワ・トリュフォーのデビュー作で、彼の自伝的作品。

夫婦喧嘩の絶えない口うるさい親と3人で、
狭いアパート暮らしの少年アントワーヌ。
教室の授業風景。
先生が後ろを向くと、皆いっせいにいたずらをして騒ぐ光景が微笑ましいです。

ある日、アントワーヌは悪友ルネと学校をさぼって遊びにいくと
偶然、母が他の男とキスしているところを目撃する。
学校の先生には、親が死んだと言って騙せても
親からきつく叱られ、家出を決意する。
町をさまよい、クリスマスに独り孤独なアントワーヌ。

母に作文でいい成績をとったらご褒美をあげると言われて
本の丸写しを提出したら、先生に怒られ停学処分に。
盗みを働き、タバコやお酒とやり放題。
ついに、高価なタイプライターまで盗むが捕まってしまい
少年刑務所に送られることになる。

少年院の中は似たような悪ガキばかり。
里子に出されたつらい幼年期を告白するアントワーヌ。
父親とは血がつながってないのね。
愛を知らずに育った少年アントワーヌ。
親にも見捨てられた彼は、自分の居場所、生きる道を失い
ひとり、海に向かって走り出す、この哀しさ。
感受性の高い難しい年頃の男の子の心理を見事に描いた名作ですね。