「鶴八鶴次郎(つるはちつるじろう)」38年{昭和13年}(C)

監督:成瀬巳喜男
出演:長谷川一夫、山田五十鈴

川口松太郎の原作を映画化。
いらないセリフはカットする、トーキーなのにサイレントのような作品。

「芸人はお客が一番大切なはずだ」
「どんなに芸が上手でも聞く者がいなければしょうがない」
「お客があって芸が生まれるんだ」

名コンビの芸人の鶴次郎とおとよは些細な事で喧嘩してばかり。
親方は2人が夫婦になればいいと思っているのだが・・
いざ結婚の話がでると急接近する2人。
独立して自分達だけの劇場を作る。

しかし、資金のことで大喧嘩して結婚の話も破綻になり別れる。
おとよは資金を出してくれた金持ちのところへ嫁に行く。
案の定、コンビが解散したことで鶴次郎の人気は衰えていく。
元々、二人で一人という芸人だったのが落ちぶれて哀れです。

そんな鶴次郎を見かねて、
改めてコンビを組んで助けてやろうとするおとよ。
しかし、鶴次郎は素直にならずに、昔のように彼女を邪険に突き放す。
その真意とは?

おとよは、家を捨ててでも芸者の道に戻りたかった。
それをよしと思わない不器用な男が、
愛した女のためを思って嘘をつく。

果たしてこれでよかったのでしょうか?
女の幸せは仕事ではなく家庭にあるのでしょうか?
もし、わたしが一生を懸けたい仕事をみつけたら
その道を進みたいですね。
愛する人にはその人が望む事をさせてあげるのが一番だと思います。

でも、おとよの場合は結婚して家庭があるから
鶴次郎はそれを壊したくなかったのでしょう。

男って惚れた女を守ろうとする本能みたいなものがあるのでしょう。
自分の欲を考えない鶴次郎の態度は立派だと思います。
自分が得られるものもなく、
自分が与えたものも見えない愛の形もあるのです。

こう書いてると、すごくいい話だったと思うのに
あんまり感動しなかったのはなぜだろう・・?