「私は死にたくない」58年(B+)

監督:ロバート・ワイズ
出演:スーザン・ヘイワード

原題「I WANT TO LIVE!」

無実の罪で死刑になった実在の人物、
バーバラ・グレアム本人の手記を元に、実話を再現した作品。
死刑の是非を問うデッドマン・ウォーキングの先駆けですね。

売春目的で州から州へと渡り、シスコに向かう男と女。
昔から不良少女で前科もあり、
子供ができたことで普通の家庭を夢見て更正を目指すが、
生活は最悪で荒んでしまっている。
もう、アバズレって言葉がぴったり当てはまるような女性です。

それが、無実の罪なのに殺人容疑で逮捕されてしまう。
アリバイもない。仲間にも裏切られ、検察側の罠にハメられ、
弁護士は力にならない。
全てが絶望的に悪い方向へ陥れられてしまう。
人の運命を左右する言葉を冷酷に伝える新聞というものが怖いです。

そして、死刑宣告。
白黒だからこそ、より一層、
どす黒い、希望のない、心の沈みの暗黒が際立つ。
この黒い色の怖さのすごいこと!

残酷な時計の針が運命の瞬間を刻一刻と刻む。
時が近づくにつれ、彼女から怒りや憎しみといった感情は消えて、
死への恐怖や弱さ、
自分の生を確かめるかのような思いやりややさしさを見せる。

人は、死に直面した時に一番人間らしさが表に出るのかもしれません。